『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』 澤村御影さん著|あらすじ・レビュー

『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』 澤村御影さん著|あらすじ・レビュー

2025年3月4日

准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと

(★4.5)
(Kindle¥614 / 楽天¥748 / オーディブル聴き放題)


澤村御影さんの推理小説シリーズ『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』の書評です。

主人公の「准教授・高槻彰良」が勤務する清和大学民俗学教室には今日も不可思議な事件や怪異が舞い込む。

『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』について

『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』は、2019年11月に角川文庫から発行された澤村御影さんの推理小説。

准教授・高槻彰良の推察シリーズ第3巻。小説と漫画の合計部数は90万部を突破。テレビドラマ化もされた。

『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』登場人物

高槻彰良:主人公 青和大学文学部史学科民俗学考古学専攻・准教授 美青年 怪異現象が起きるとハイテンションに 鳥が苦手

深町尚哉:青和大学の大学生で高槻のバイト助手 他人の嘘を見抜く能力を持つ 

佐々倉健司:高槻の幼馴染 警視庁刑事部捜査一課・刑事

『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』あらすじ

尚哉の友人・難波の元に不幸の手紙が届いた。
時を同じくして、高槻と尚哉は「図書館のマリエさん」という聞き慣れない都市伝説を知る。
図書館の蔵書に隠された暗号を解かないと呪われるというのだが……。――「不幸の手紙と呪いの暗号」

高槻と、幼馴染である捜査一課の刑事・佐々倉の幼い頃を描いた番外編「【extra】それはかつての日の話」も収録。

民俗学ミステリ、シリーズ待望の第3巻!
本当に、面白いんです!!!

Amazonより引用

イケメン民俗学者・高槻彰良准教授と、人の嘘がわかる大学生・深町尚哉のコンビが、挑むシリーズ第3巻。

今回は「呪い」と「祝い」という、一見対照的なテーマを巡る物語。

ある村では「祝われるべき存在」と「呪われた存在」の間に隠された因習があり、特定の人物に不幸が続く現象が起こっていた。高槻と尚哉が調査を始めると、そこには長年続く伝承や信仰、そして村の人々の思惑が絡み合っていることがわかる。

呪いとは本当に存在するのか? それとも人々の心が生み出すものなのか? 高槻と尚哉が、その謎を紐解いていきます。

『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』レビュー・感想

第一章 不幸の手紙と呪いの暗号

「図書館のマリエさん」という聞き慣れない都市伝説とは!?

第二章 鬼を祀る家

鬼神伝説が残る村 不気味な洞窟で、額に穴のあいた頭蓋骨を見つける。 

【extra】それはかつての日の話

高槻と幼馴染の捜査一課の刑事・佐々倉の幼い頃を描いた番外編


「准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと」を読んでみて、今回のテーマは「呪い」と「祝い」。

この2つは正反対のもののようでいて、実は紙一重。祝いの言葉が呪いにもなり得るし、その逆もまた然り……。そんな民俗学的な視点がとても興味深かった!

物語の舞台となる村の風習や伝承がリアルで、まるで実際にあるかのような雰囲気が味わえる。呪いが噂される背景には、人々の思い込みや過去の出来事が深く関係していて、「ただの怪異ではなく、人の心の動きが生み出すものなのかも」と考えさせられる。

尚哉の成長も見どころ。彼が自身の能力と向き合いながら、少しずつ人と向き合う勇気を持ち始める姿に、ぐっとくる場面が多かった。

高槻との絆も深まり、2人の信頼関係がより強くなっていくのが伝わってくる。

著者「澤村御影」さんについて

『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』の著者、澤村御影さんは神奈川県横浜市出身の推理作家です。

2016年に第2回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”を受賞した『憧れの作家は人間じゃありませんでした』でデビュー。

澤村御影さんの作品は、独特の設定と丁寧な心理描写、そして民俗学的要素を巧みに織り交ぜた物語構成により、多くの読者から支持を得ています。

ぜひ一度、読んでみてください。

『准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと』を読んだ最後に

今回も「怪異」そのものより、それを取り巻く人々の思いや過去に焦点が当てられていて、とても考えさせられる内容だった。

怖さだけでなく、人間ドラマとしての深みが増している印象。

そして、回を重ねるごとに高槻と尚哉の関係がより自然で温かいものになっているのが嬉しい。

まだまだ解き明かされていない謎も多く、次の巻ではどんな事件や民俗学的テーマが登場するのか、ますます楽しみ!

このシリーズ、どんどん面白くなってきているので、ぜひ続きも読んでいきたい!

准教授・高槻彰良の推察3 呪いと祝いの語りごと

(★4.5)
(Kindle¥614 / 楽天¥748 / オーディブル聴き放題)