『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』 澤村御影さん著|あらすじ・レビュー

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』 澤村御影さん著|あらすじ・レビュー

2025年3月4日

准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく

(★4.6)
(Kindle¥634 / 楽天¥704 / オーディブル聴き放題)


澤村御影さんの推理小説シリーズ『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』の書評です。

主人公の「准教授・高槻彰良」が勤務する清和大学民俗学教室には今日も不可思議な事件や怪異が舞い込む。

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』について

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』は、2020年5月に角川文庫から発行された澤村御影さんの推理小説。

准教授・高槻彰良の推察シリーズ第4巻。小説と漫画の合計部数は90万部を突破。テレビドラマ化もされた。

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』登場人物

高槻彰良:主人公 青和大学文学部史学科民俗学考古学専攻・准教授 美青年 怪異現象が起きるとハイテンションに 鳥が苦手

深町尚哉:青和大学の大学生で高槻のバイト助手 他人の嘘を見抜く能力を持つ 

佐々倉健司:高槻の幼馴染 警視庁刑事部捜査一課・刑事

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』あらすじ

「異界はどこにだってある――僕たちの、心の中にもね。」

春。無事に進級し大学2年生になった尚哉は、相変わらず高槻のもとで助手のバイトをしている。
ある日、高槻が運営するサイト「隣のハナシ」に、建築事務所で働く女性から怪事件の相談が寄せられた。事務所で起こった、「4」にまつわる不気味な事件の真相とは……?――(「四時四十四分の怪」)

高槻が渉のもとで暮らしていたころのお話「【extra】それはかつての日の話2」も収録。
大人気シリーズ、新章開講!

Amazonより引用

イケメン民俗学者・高槻彰良准教授と、人の嘘がわかる大学生・深町尚哉のコンビが挑むシリーズ第4巻。

今回のテーマは「異界」。

ある町で「異界へ通じる扉が開いた」という奇妙な噂が広まる。ある夜を境に、人がふっと姿を消してしまう事件が発生。目撃者によれば、消えた人はまるで別の世界へ引き込まれたかのようだった。そんな不気味な出来事の裏に潜むのは、昔からその町に伝わる伝承だった。

「異界」とは本当に存在するのか? それとも人々の恐れが作り出した幻想なのか?

高槻と尚哉は、その謎に挑む。

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』レビュー・感想

第一章 四時四十四分の怪

「4」にまつわる不気味な事件の真相とは……?

第二章 人魚のいる海

「江の島の海に人魚が出た」と大騒ぎに。 「お母さんは人魚になった」と訴える少年に出会い……。

【extra】それはかつての日の話II

高槻が叔父・渉のもとで暮らしていたころのお話


「准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく」を読んでみて

今回のテーマ「異界」は、これまでの「呪い」や「神隠し」とも違った、より幻想的で不思議な雰囲気が強い話だった。

異界という言葉にはロマンと恐怖が同居していて、「もし本当にそんな場所があったら?」と想像しながら読み進めた。

事件の背景には、町の伝承や人々の記憶、信仰が深く関わっていて、単なるオカルトではなく、民俗学的なアプローチで解明されていく流れがとても興味深かった。特に、高槻が語る異界に関する考察が圧巻で、読んでいるうちに「異界は本当にあるのかも」と思えてくるほど。

また、尚哉の成長も今回の大きな見どころ。彼が自身の能力とどう向き合うか、高槻とどう関係を築いていくのかが、より深く描かれていた。

二人の距離感が少しずつ変化していくのが自然で、読んでいて心が温まる。

著者「澤村御影」さんについて

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』の著者、澤村御影さんは神奈川県横浜市出身の推理作家です。

2016年に第2回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”を受賞した『憧れの作家は人間じゃありませんでした』でデビュー。

澤村御影さんの作品は、独特の設定と丁寧な心理描写、そして民俗学的要素を巧みに織り交ぜた物語構成により、多くの読者から支持を得ています。

ぜひ一度、読んでみてください。

『准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく』を読んだ最後に

「異界」というテーマを通して、人の心の奥底にある恐れや願望が浮かび上がってくる物語だった。

怖さと神秘的な魅力が絶妙に絡み合っていて、ページをめくる手が止まらなかった。

高槻と尚哉のコンビもますます安定感が増していて、二人のやり取りがより自然で信頼に満ちているのが良かった。シリーズを追うごとに面白さが増していて、次の巻ではどんな怪異が登場するのか、今から楽しみ!

この物語、まだまだ先を見届けたい!

准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく

(★4.6)
(Kindle¥634 / 楽天¥704 / オーディブル聴き放題)