『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』 澤村御影さん著|あらすじ・レビュー

『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』 澤村御影さん著|あらすじ・レビュー

2025年3月4日

准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る

(★4.4)
(Kindle¥614 / 楽天¥748 / オーディブル聴き放題)


澤村御影さんの推理小説シリーズ『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』の書評です。

主人公の「准教授・高槻彰良」が勤務する清和大学民俗学教室には今日も不可思議な事件や怪異が舞い込む。

『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』について

『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』は、2019年5月に角川文庫から発行された澤村御影さんの推理小説。

准教授・高槻彰良の推察シリーズ第2巻。小説と漫画の合計部数は90万部を突破。テレビドラマ化もされた。

『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』登場人物

高槻彰良:主人公 青和大学文学部史学科民俗学考古学専攻・准教授 美青年 怪異現象が起きるとハイテンションに 鳥が苦手

深町尚哉:青和大学の大学生で高槻のバイト助手 他人の嘘を見抜く能力を持つ 

佐々倉健司:高槻の幼馴染 警視庁刑事部捜査一課・刑事

『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』あらすじ

怪異収集家の准教授・高槻彰良と、その助手で嘘を聞き分ける大学生・深町尚哉のもとに、「学校の怪談」の調査依頼が舞い込んできた!
どうやら、町の小学校で「コックリさんの呪い」なる噂があるらしい。児童たちは、コックリさんが教室のロッカーに棲み付いたと信じており、PTAを巻き込んだ騒ぎになっているようだ。噂の真相を2人は見抜けるか……?――「学校には何かがいる」

尚哉の耳に異変!? 高槻の過去が語られる!? 目が離せない驚きの第2巻!!!
聴かない手はない! ハマる人続出。

Amazonより引用

イケメン民俗学者・高槻彰良准教授と、人の嘘がわかる大学生・深町尚哉のコンビが、再び奇妙な怪異に挑むシリーズ第2巻。

今回は「神隠し」をテーマに、行方不明事件や都市伝説の謎に迫る。

ある日、高槻のもとに「友人が突然消えた」という相談が舞い込む。目撃者によれば、その友人は目の前でふっと姿を消したという。さらに、街では「ある時間に橋を渡ると消えてしまう」という噂が広まっていた。

高槻と尚哉は調査を進めるが、事件の背景には過去に起こった出来事や、人々の信仰にまつわる伝承が関係しているようで……?

今回も、人の心に潜む「見えないもの」と向き合いながら、2人が真相を探る物語が展開されます。

『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』レビュー・感想

第一章 学校には何かがいる

町の小学校で「コックリさんの呪い」なる噂があるらしい。

第二章 スタジオの幽霊

有名女優から、スタジオに現れた幽霊の調査依頼が舞い込んで!? 

第三章 奇跡の子供

とある少女は「まな様」と呼ばれ崇めている。の少女が描いた絵は、どこか奇妙だった……。


「准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る」を読んでみて、今回のテーマは「神隠し」。

誰もが一度は耳にしたことがある怪異だけど、その背景にある民俗学的な解釈がとても興味深い!

高槻の解説を通じて、神隠しの伝承がどのように生まれ、人々の間で語り継がれてきたのかを知ることができるのが面白い。

また、前作よりもミステリー要素が強めで、事件の真相が少しずつ明かされていく過程に引き込まれた。都市伝説として語られる「不思議な出来事」が、実際に起こり得るものとして紐解かれていく感じが絶妙。

そして、尚哉の成長も見どころの一つ。

高槻との交流を通じて、彼が少しずつ他人との距離を縮められるようになっていく様子が微笑ましい。

特に、尚哉が自分の能力と向き合いながら「人を信じる」ことを学んでいくシーンには胸が熱くなった。

著者「澤村御影」さんについて

『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』の著者、澤村御影さんは神奈川県横浜市出身の推理作家です。

2016年に第2回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”を受賞した『憧れの作家は人間じゃありませんでした』でデビュー。

澤村御影さんの作品は、独特の設定と丁寧な心理描写、そして民俗学的要素を巧みに織り交ぜた物語構成により、多くの読者から支持を得ています。

ぜひ一度、読んでみてください。

『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』を読んだ最後に

ミステリー好きはもちろん、都市伝説や民俗学に興味がある人にもめちゃくちゃおすすめ!

今回も、「怖いけど温かい」物語だった。ホラー要素がありながら、単なる怪談に終わらず、そこに生きる人々の心情や背景を掘り下げていくのが本作の魅力だと改めて実感。

高槻と尚哉のコンビの掛け合いも健在で、時折クスッと笑えるやり取りがあるのも良かった。ミステリーとしても民俗学的な考察としても楽しめる一冊だったので、前作が気に入った人は間違いなくハマるはず!

次の巻ではどんな怪異が登場するのか、2人の関係がどう変化していくのか、ますます目が離せないシリーズになってきた。

准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る

(★4.4)
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