
成瀬は天下を取りにいく
(★4.4)
(Kindle¥1,534 / 楽天¥1,705 / オーディブル聴き放題)
宮島未奈さんの小説『成瀬は天下を取りにいく』の書評です。
「天下取り」の夢は無謀じゃない——地方都市の女子中学生・成瀬あかりが、型破りな行動力で未来を切り拓く! 笑いと勇気が詰まった青春疾走ストーリー。
目次|Contents
『成瀬は天下を取りにいく』について
『成瀬は天下を取りにいく』は、2023年に新潮社より発表された宮島未奈さんの小説
「第39回坪田譲治文学賞」受賞、「2024年本屋大賞」受賞
『成瀬は天下を取りにいく』登場人物
成瀬あかり:主人公 滋賀県大津市の中学生 自身の興味に従い大胆な挑戦を続ける
島崎みゆき:成瀬の幼馴染で親友
『成瀬は天下を取りにいく』あらすじ

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。
各界から絶賛の声続々、いまだかつてない青春小説!
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
Amazonより引用
発売前から超話題沸騰! 圧巻のデビュー作。
宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』は、地方都市に暮らす成瀬あかりの中学生から高校生にかけて、持ち前の行動力と独特な感性で周囲を巻き込みながら突き進んでいく物語です。
成瀬は、自分の夢に向かってまっすぐで、周囲の常識にとらわれない型破りな存在。そんな彼女に振り回されながらも、仲間たちは次第に影響を受け、自らの殻を破っていきます。
青春の葛藤や地方都市ならではの閉塞感を背景に、成瀬のエネルギッシュな姿が鮮やかに描かれるます。
彼女は本当に“天下を取る”ことができるのか?その行方に目が離せません。
『成瀬は天下を取りにいく』レビュー・感想

『成瀬は天下を取りにいく』の最大の魅力は、何といっても主人公・成瀬の圧倒的なキャラクター性です。
大胆で自由奔放、それでいてどこか憎めない彼女の言動は、読んでいて爽快感があります。
時には突拍子もない発想で周囲を驚かせながらも、彼女なりの信念を持ち、まっすぐに突き進む姿は、多くの読者の心を動かすでしょう。
また、成瀬を取り巻く登場人物たちの成長も見どころの一つ。最初は彼女に戸惑いながらも、次第に影響を受け、自分自身を見つめ直していく過程が丁寧に描かれています。特に、地方都市ならではの閉塞感や、将来への漠然とした不安といったテーマがリアルに表現されており、共感を呼びます。
文章は軽快でテンポが良く、気がつけば一気に読んでしまう作品でした。笑えるシーンも多く、読みながら何度もクスッとさせられました。
一方で、成瀬の言葉や行動が胸に刺さる場面もあり、単なる痛快コメディではなく、読後にじんわりと考えさせられる一冊でもあります。
著者「宮島未奈」さんについて
『成瀬は天下を取りにいく』の著者、宮島未奈(みやじまみな)さんは、1983年静岡県生まれの小説家です。
2018年『二位の君』で「第196回コバルト短編小説新人賞」受賞
2024年『成瀬は天下を取りにいく』で「第39回坪田譲治文学賞」受賞、「2024年本屋大賞」受賞
宮島未奈さんの作品は、軽快なテンポとユーモアに満ちた会話が魅力。青春の葛藤や社会のリアルも描かれ、前向きなメッセージが心に残る作品が多いです。
『成瀬は天下を取りにいく』を読んだ最後に
『成瀬は天下を取りにいく』は、夢を追いかけることの楽しさや、自分らしく生きることの大切さを教えてくれる作品でした。
型にはまらず、自分の信じる道を突き進む成瀬の姿は、読者に勇気を与えてくれるはずです。
青春の躍動感を味わいたい人や、現状を打破したいと感じている人にぜひ読んでほしい一冊。
読み終えたあと、思わず「私も天下を取りにいこうかな」と思わせてくれるような、エネルギッシュな作品でした。

成瀬は天下を取りにいく
(★4.4)
(Kindle¥1,534 / 楽天¥1,705 / オーディブル聴き放題)