人気シリーズ第8弾!『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』 知念実希人さん著|あらすじ・レビュー

人気シリーズ第8弾!『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』 知念実希人さん著|あらすじ・レビュー

天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム

(★4.4)
(Kindle¥830 / 楽天¥770 / オーディブル聴き放題)


知念実希人さんの医療ミステリー小説『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』の書評です。

「天才は、時に常識を超える。」

知念実希人さんの『天久鷹央の推理カルテ』シリーズは、医療ミステリーというジャンルに新風を吹き込んだ作品。

天久鷹央という風変わりな天才医師が、病院という舞台で次々と起こる難事件に挑む姿は、スリリングでありながらどこか温かさも感じさせてくれます。

『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』について

『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』は、2024年12月に実業之日本社から発行された知念実希人さんの医療ミステリー小説。

累計350万部突破の『天久鷹央(あめくたかお)』シリーズ 推理カルテ第8弾。テレビアニメやテレビドラマ化もしています。

『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』登場人物

天久鷹央:主人公 天医会総合病院 副院長 兼 統括診断部部長 小柄で童顔のため、高校生に間違えられることも

小鳥遊優:鷹央の部下 小鳥というあだ名をつけられる 

鴻ノ池舞:研修医 鷹央に憧れている

『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』あらすじ

水神。化け猫。消える銃弾。
「呪い」の正体は?

水神の祟り。化け猫の憑依。頭蓋骨から消えた銃弾。
まるで「呪い」が引き起こしたかのような数々の謎を前にして、天才医師・天久鷹央が下した「診断」とは!?
……そして推理の結果、小鳥遊の恩師が死んだ事件を「正解のない問題」と言い放ち、自ら手を引くと語った真意は?
二重三重に仕掛けられた伏線と驚きの展開、その結末や如何に!
現役医師が描く、本格医療ミステリー!

Amazonより引用

天才女医・天久鷹央が、難解な医療ミステリーに挑む「天久鷹央の推理カルテ」シリーズの第7弾。

物語の中心となるのは、鷹央が学生時代に大きな影響を受けた恩師・御子神氷魚。

帝都大学の元主任教授であり、現在は総合病院の院長を務める氷魚は、鷹央が唯一「先生」と呼ぶ存在。

しかし、氷魚は不治の病に侵され、やがて不可解な死を遂げます。

「もし余命より早く死んだら、それは他殺だと思ってほしい」という謎めいた言葉を残し、密室状態のカルテ保管庫で亡くなった氷魚。

師弟の絆や、二転三転する展開が見どころの本格医療ミステリーです

『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』レビュー・感想

Karte.01 水神の祟り

精神科に通う患者が水神の祟りを訴える。祟りは本当に存在するのか!?

Karte.02 闇に光る

化け猫に憑依されたとされる少年に隠された病魔とは!?

Karte.03 透過する弾丸

小鳥遊の恩師の不可解な死。透過する弾丸の真相を解明できるのか!?


「天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム」を読んでみて、シリーズの中でも特に「呪い」や「怪異」といった非科学的な現象に医学の光を当て、現実的な解釈を与えていくプロセスが見どころ。

各編で提示される謎は、医学の専門知識がなければ解けないものばかりで、読者の知的好奇心を強く刺激されました。

「透過する弾丸」では、小鳥遊の成長や葛藤が丁寧に描かれ、鷹央が事件の解決を小鳥遊に委ねる展開は意外性がありつつも、シリーズの新たな一面を感じさせられました。

事件の結末には、ビターエンドだが、これが天久鷹央シリーズらしくもあり、単なる謎解きだけでなく、登場人物たちの人間ドラマにも深みが増しています。

著者「知念実希人」さんについて

『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』の著者、知念実希人は1978年10月12日に沖縄県南城市で生まれた日本の小説家兼医師です。

医療ミステリーの旗手として、医師の経験を活かした作品を多く執筆しています。

2011年に『レゾン・デートル』でばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、2012年に『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューしました。

代表作には今回紹介した「天久鷹央の推理カルテ」シリーズなどがあり、『仮面病棟』『祈りのカルテ』『硝子の塔の殺人』などのヒット作を執筆しています。

また2018年から2020年にかけて、3年連続で本屋大賞にノミネートされました。

知念実希人さんの作品は、医療知識を活かしたリアルな描写と、人間味のあるドラマ性が特徴で、多くの読者から支持を得ています。

『天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム』を読んだ最後に

『呪いのシンプトム』は、天久鷹央シリーズの中でも特に“人間の心”に寄り添った一作でした。

ミステリとしての完成度はもちろん、読み終わった後に、自分自身の中に潜む「思い込み」や「恐れ」について考えさせられる、そんな深い余韻を残してくれます。

医療ミステリに興味がある方、そして論理と人間ドラマの両方を楽しみたい方にぜひおすすめしたい一冊。

鷹央と小鳥遊の今後の関係性もますます気になってきます。次の物語も、きっとまた期待以上のものを見せてくれるでしょう!

天久鷹央の推理カルテⅧ 呪いのシンプトム

(★4.4)
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