『変な家2 ~11の間取り図~』 雨穴さん著|あらすじ・レビュー

『変な家2 ~11の間取り図~』 雨穴さん著|あらすじ・レビュー

変な家2 ~11の間取り図~

(★4.2)
(オーディブル聴き放題 / Kindle¥1,485 / 楽天¥1,650)


雨穴さんの小説『変な家2 ~11の間取り図~』の書評です。

あなたの家は、本当に「普通」ですか?

見慣れたはずの間取り図が、何か恐ろしい秘密を隠しているように見えてくるかもしれません。

『変な家2 ~11の間取り図~』について

『変な家2 ~11の間取り図~』は、2023年に飛鳥新社より発表された雨穴さんのホラー小説。

150万部突破の『変な家』の第2弾。「2024年オリコン年間BOOKランキング」1位。

『変な家2 ~11の間取り図~』登場人物

雨穴:語り手 フリーライター

栗原:オカルト好きな設計士 雨穴の知人

『変な家2 ~11の間取り図~』あらすじ

『変な家』第2弾!

14万字超、完全書き下ろし!
あなたは、この「11の間取り」の謎が解けますか?

前作に続き、フリーライターの筆者と設計士・栗原のコンビが不可解な間取りの謎に挑む。

1「行先のない廊下」
2「闇をはぐくむ家」
3「林の中の水車小屋」
4「ネズミ捕りの家」
5「そこにあった事故物件」
6「再生の館」
7「おじさんの家」
8「部屋をつなぐ糸電話」
9「殺人現場へ向かう足音」
10「逃げられないアパート」
11「一度だけ現れた部屋」
後編「栗原の推理」

すべての謎が一つにつながったとき、きっとあなたは戦慄する!

Amazonより引用

あの衝撃的な「変な家」から1年…。

再び、私たちの日常に潜むかもしれない“恐怖”の扉が開かれる。

雨穴氏の元に持ち込まれたのは、またしても不可解な「間取り図」。

しかし、今回は1つではない。

なんと、11もの奇妙な間取り図が、まるでパズルのピースのように次々と提示されるのだ。

一見すると何の変哲もないように見えるそれらの家々は、注意深く観察すると、そこには必ず“何か”がある。

不自然な位置にある窓、意味不明な空間、隠された通路…。

それぞれの間取り図に潜む謎は、そこに住んでいた人々の歪んだ人生や、恐ろしい出来事を静かに物語っているかのようだ。

これらの間取り図は、それぞれ独立した物語なのか?

それとも、何か大きな一つの真実に繋がっているのだろうか?

雨穴氏と共に、あなたもこの11の謎に挑むことになる。

『変な家2 ~11の間取り図~』レビュー・感想


前作『変な家』で、間取り図という新たな切り口から日常に潜む恐怖を描き出し、私たちを震撼させた雨穴さん。

待望の続編『変な家2 ~11の間取り図~』は、その期待を裏切らない、いや、むしろパワーアップした“間取り図ミステリー”と言えるでしょう。

まず、11もの間取り図が登場するというボリューム感に圧倒されます。

一つ一つの間取り図が持つ不気味さ、そしてそこから展開される推理は、前作同様に読者の知的好奇心を刺激し、「なぜこんな作りに?」と考えずにはいられません。

そして、その間取り図の背景にある物語が明らかになるにつれて、じわじわと背筋が冷たくなるような感覚に襲われます。

雨穴さん特有の淡々とした語り口は今作でも健在で、それがかえって恐怖を際立たせています。

派手な恐怖演出ではなく、日常の延長線上にあるかもしれない「あり得なさ」が、よりリアルな恐怖として迫ってくるのです。

また、11の間取り図がそれぞれ異なるタイプの「違和感」を提示してくるため、最後まで飽きさせない構成も見事。

読み進めるうちに、「もしかして、これらの話はどこかで繋がっているのでは…?」という新たな興味も湧いてきます。

ミステリーとしての謎解きの面白さと、ホラーとしてのゾクゾク感を同時に味わえる、まさに雨穴ワールド全開の一冊です。

著者「雨穴」さんについて

『変な家2 ~11の間取り図~』の著者、雨穴(うけつ)さんは、本名、素顔などが非公開のウェブライター、ホラー作家。

『変な家2 ~11の間取り図~』を読んだ最後に

『変な家2 ~11の間取り図~』を読み終えたあなたは、きっと今まで何気なく見ていた「家」や「間取り図」に対する見方が変わってしまうかもしれません。

それは、私たちの日常と非日常が、実は薄い壁一枚で隔てられているだけなのかもしれない、という雨穴さんからの静かな問いかけのようにも感じられます。

前作のファンはもちろん、今作で初めて雨穴さんの作品に触れる方にも、ぜひ手に取っていただきたい作品です。

特に、ミステリーが好きで考察を楽しみたい方、じわじわとくる静かな恐怖を味わいたい方には強くおすすめします。

11の間取り図に隠された秘密とは何なのか?

そして、それらが示すものとは一体…?

ぜひ、あなた自身の目で確かめ、この何とも言えない読後感を味わってみてください。

そして、読んだ後には、誰かとこの奇妙な間取り図について語り合いたくなること間違いなしです。

変な家2 ~11の間取り図~

(★4.2)
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