人気シリーズ第7弾!『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』 知念実希人さん著|あらすじ・レビュー

人気シリーズ第7弾!『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』 知念実希人さん著|あらすじ・レビュー

天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意

(★4.4)
(Kindle¥770 / 楽天¥770 / オーディブル聴き放題)


知念実希人さんの医療ミステリー小説『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』の書評です。

「天才は、時に常識を超える。」

知念実希人さんの『天久鷹央の推理カルテ』シリーズは、医療ミステリーというジャンルに新風を吹き込んだ作品。

天久鷹央という風変わりな天才医師が、病院という舞台で次々と起こる難事件に挑む姿は、スリリングでありながらどこか温かさも感じさせてくれます。

『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』について

『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』は、2024年2月に実業之日本社から発行された知念実希人さんの医療ミステリー小説。

累計350万部突破の『天久鷹央(あめくたかお)』シリーズ 推理カルテ第7弾。テレビアニメやテレビドラマ化もしています。

『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』登場人物

天久鷹央:主人公 天医会総合病院 副院長 兼 統括診断部部長 小柄で童顔のため、高校生に間違えられることも

小鳥遊優:鷹央の部下 小鳥というあだ名をつけられる 

鴻ノ池舞:研修医 鷹央に憧れている

『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』あらすじ

「頼んだよ……鷹央君」
師を殺したのは、誰だ?

御子神氷魚。帝都大学の元主任教授で、現在は総合病院の院長を務める彼女は、天久鷹央の学生時代の師だった。同じ個性を持つ氷魚に導かれ、診断医の道を志した鷹央。天才医師が唯一「先生」と呼ぶ存在は、しかし不治の病に冒されており、最後には不可解な死を遂げる。謎めいた言葉を遺した師の真意を知るため、鷹央は捜査を開始するが……。

師弟の絆を描く、本格医療ミステリー!

Amazonより引用

天才女医・天久鷹央が、難解な医療ミステリーに挑む「天久鷹央の推理カルテ」シリーズの第7弾。

物語の中心となるのは、鷹央が学生時代に大きな影響を受けた恩師・御子神氷魚。

帝都大学の元主任教授であり、現在は総合病院の院長を務める氷魚は、鷹央が唯一「先生」と呼ぶ存在。

しかし、氷魚は不治の病に侵され、やがて不可解な死を遂げます。

「もし余命より早く死んだら、それは他殺だと思ってほしい」という謎めいた言葉を残し、密室状態のカルテ保管庫で亡くなった氷魚。

師弟の絆や、二転三転する展開が見どころの本格医療ミステリーです

『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』レビュー・感想

Karte.01 禁断の果実

毎年同じ時期に肝炎を発症する少年の想いとは!?

Karte.02 七色の猫

カラフルに塗られた野良猫がたくさん保護された。その裏に隠された真相とは!?

Karte.03 遺された挑戦状

鷹央の学生時代の師である氷魚が謎の死を遂げる。師弟の絆を描く本格ミステリー。


「天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意」を読んでみて、医学ミステリーとしての緻密さと、密室トリックのワクワク感が絶妙にマッチしていて、最後まで夢中になって読めました。

本作は、シリーズらしい知的な謎解きと、師弟関係の深いドラマが絶妙に組み合わさった一冊。

まず、短編ごとに異なる謎が用意されており、春先に肝炎を発症する少年や、野良猫の毛が染められる事件など、医療現場ならではのトリックが楽しめます。特に中編「遺された挑戦状」では、鷹央と恩師・氷魚の頭脳戦が展開され、密室トリックや病死と他殺の境界を巡る推理が秀逸です。

師匠である氷魚と鷹央の関係性が、同じ特性を持つ者同士だからこそ築けた信頼や、ぶつかり合いを通じて丁寧に描かれている点も印象的です。氷魚の死を巡る謎は、単なる事件解決にとどまらず、師弟の絆や成長、別れの切なさまでを浮き彫りにします。

シリーズの特徴でもある医療知識を活かしたトリックは、専門性が高く、読者の知的好奇心を刺激します。難解な症例や医学的な仕掛けも多いですが、鷹央と小鳥遊の掛け合いがユーモラスで、重くなりすぎずに読み進められるのも魅力です。

著者「知念実希人」さんについて

『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』の著者、知念実希人は1978年10月12日に沖縄県南城市で生まれた日本の小説家兼医師です。

医療ミステリーの旗手として、医師の経験を活かした作品を多く執筆しています。

2011年に『レゾン・デートル』でばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、2012年に『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューしました。

代表作には今回紹介した「天久鷹央の推理カルテ」シリーズなどがあり、『仮面病棟』『祈りのカルテ』『硝子の塔の殺人』などのヒット作を執筆しています。

また2018年から2020年にかけて、3年連続で本屋大賞にノミネートされました。

知念実希人さんの作品は、医療知識を活かしたリアルな描写と、人間味のあるドラマ性が特徴で、多くの読者から支持を得ています。

『天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意』を読んだ最後に

『羅針盤の殺意』は、医療ミステリーとしての面白さはもちろん、師弟の絆や人間ドラマにも心を動かされる一冊でした。

特に、鷹央が恩師の死の真相に迫る過程で見せる成長や、師の遺した「羅針盤」が象徴する生き方への問いかけが印象に残ります。

シリーズファンはもちろん、初めて読む方にもおすすめできる内容です。

知念実希人さんならではの知的な謎解きと、温かな人間描写をぜひ味わってみてください

天久鷹央の推理カルテⅦ 羅針盤の殺意

(★4.4)
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