『きまぐれロボット』 星新一さん著|あらすじ・レビュー

『きまぐれロボット』 星新一さん著|あらすじ・レビュー

2025年3月8日

きまぐれロボット

(★4.1)
(Kindle¥337 / 楽天¥418 / オーディブル聴き放題)


星新一さんの推理小説『きまぐれロボット』の書評です。

星新一さん自らが傑作50編を自選。SF作家・星新一の入門書。

『きまぐれロボット』について

『きまぐれロボット』は、1972年に角川文庫から発行された星新一さんのSFショートショート集。

各話4ページほどのショートショートが31編が収録されており、70刷を超えている大人気作品です。

『きまぐれロボット』登場人物

きまぐれロボット:ある大金持ちが買ったきまぐれなロボット

『きまぐれロボット』あらすじ

お金持ちのエヌ氏は、博士が最も優秀と自慢するロボットを買入れた。

オールマイティのロボットだが、時々あばれたり逃げたりする。ひどいロボットを買わされたと怒ったエヌ氏は博士に文句を言ったが……。

ショート・ショートでは第一級の作者が綴る、大人と子供のための童話。表題作他35編を収録。

Amazonより引用

『きまぐれロボット』は、日本を代表するショートショート作家・星新一さんによる短編集です。

本書には、ユーモアと皮肉が効いたSF短編が数多く収められています。

タイトルにもなっている「きまぐれロボット」は、その名の通り気まぐれな性格を持つロボットが登場する物語。命令通りに動くはずのロボットが、時には思いもよらない行動をとることで、持ち主は困惑しつつも、思わぬ展開へと巻き込まれていきます。

他の収録作も、未来のテクノロジーや奇妙な発明品を題材にしつつ、人間の欲望や皮肉な運命を描いたものばかり。

どの作品も短く、テンポよく読めるのに、読後には深く考えさせられる不思議な魅力があります。

『きまぐれロボット』レビュー・感想

きまぐれロボット

何でもできる最高のロボットを手に入れたお金持ち。孤島の別荘で1か月ロボットと過ごすことになるのだが、、、

新発明のマクラ

なんの努力もせずに英語が身に付くという「新発明のマクラ」の話

試作品

長年研究してやっと完成した「試作品」とはいったい


『きまぐれロボット』の作者、星新一さんの作品の魅力は、何といっても「短くて面白い」ことにあります。

どの話も数ページで完結するため、ちょっとした時間にサクッと読めるのが嬉しいポイントです。それでいて、オチのある展開や、ブラックユーモアが効いたストーリーに思わず唸らされます。

「きまぐれロボット」のように、未来の技術やロボットをテーマにしながらも、描かれているのは決して遠い世界の話ではなく、人間の愚かさや滑稽さを映し出しているのが特徴です。

例えば、便利な発明品に頼りすぎた結果、予想外の結末を迎える話や、人間の欲深さが招く悲劇など、シンプルながらも示唆に富んだ内容ばかり。

また、難しい専門知識がなくても楽しめるのも魅力です。

SFと聞くと難しそうな印象を持つ人もいるかもしれませんが、星新一さんの作品はシンプルな言葉で書かれており、子どもから大人まで楽しめる作品ばかりです。特に読書が苦手な人でも、この短編集なら無理なく読めるはずです。

著者「星新一」さんについて

『きまぐれロボット』の著者、星新一(ほししんいち)さんは東京生れ。東京大学農学部卒。

1957(昭和32)年、日本最初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参画し、ショートショートという分野を開拓した。
1001編を超す作品を生み出したSF作家の第一人者。
SF以外にも父・星一や祖父・小金井良精とその時代を描いた伝記文学などを執筆している。

著書に『ボッコちゃん』『悪魔のいる天国』『マイ国家』『ノックの音が』など多数。

『きまぐれロボット』を読んだ最後に

『きまぐれロボット』を読み終えたとき、私は「もしこの話が現実になったらどうなるだろう?」と何度も考えました。

テクノロジーが進化する一方で、人間は本当に賢くなっているのか? そんな問いを突きつけられるような気がします。

また、どの話も軽妙な語り口ながら、深いテーマが隠されているので、何度読んでも新しい発見があります。子どもの頃に読んだ時と、大人になってから読んだ時で感じ方が変わるのも面白いポイントです。

短編SFの傑作であり、時代を超えて愛される一冊。

まだ読んだことがない人は、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか?

きまぐれロボット

(★4.1)
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