『成瀬は信じた道をいく』 宮島未奈さん著|あらすじ・レビュー

『成瀬は信じた道をいく』 宮島未奈さん著|あらすじ・レビュー

2025年4月1日

成瀬は信じた道をいく

(★4.7)
(Kindle¥1,584 / 楽天¥1,705 / オーディブル聴き放題)


宮島未奈さんの小説『成瀬は信じた道をいく』の書評です。

「信じた道を貫く強さ――不器用でも、真っ直ぐに生きる成瀬の姿に心揺さぶられる一冊。」

『成瀬は信じた道をいく』について

『成瀬は信じた道をいく』は、2024年に新潮社より発表された宮島未奈さんの小説

10万部突破の『成瀬は天下を取りにいく』の続編 「2025年本屋大賞」ノミネート!

『成瀬は信じた道をいく』登場人物

成瀬あかり:主人公 滋賀県大津市の高校生から京大に進学 自身の興味に従い大胆な挑戦を続ける

島崎みゆき:成瀬の幼馴染で親友

『成瀬は信じた道をいく』あらすじ

唯一無二の主人公、再び。

……と思いきや、まさかの事件発生!?

10万部突破の前作に続き、読み応え、ますますパワーアップの第2作!

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。 「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー(をやめたい)主婦、観光大使になるべくしてなった女子大生……。

個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?

面白さ、ますますパワーアップの全5篇!

Amazonより引用

宮島未奈さんの『成瀬は信じた道をいく』は、自分の信念を貫く主人公・成瀬の生き様を描いた作品です。

物語は、地方都市に住む成瀬が、自らの価値観と誠実さを武器に、仕事や人間関係に立ち向かう様子を中心に展開します。

成瀬は周囲の人々に流されることなく、自分が「正しい」と信じる道を歩み続けます。その姿勢はときに孤独を招き、摩擦を生むこともありますが、彼の真っ直ぐな生き方は、やがて周囲の人々にも影響を与えていきます。

物語を通して、「自分の信念を持ち続けることの大切さ」や「社会とどう折り合いをつけるか」といったテーマが丁寧に描かれています。

『成瀬は信じた道をいく』レビュー・感想


『成瀬は信じた道をいく』の最大の魅力は、何よりも成瀬のキャラクターにあります。

彼女は決して完璧な人間ではなく、時には融通が利かない部分もありますが、その不器用さがむしろ彼女の魅力を引き立てています。宮島未奈さんの筆致は繊細で、成瀬の葛藤や成長がリアルに伝わってきます。

物語の展開もテンポがよく、読者を飽きさせません。成瀬が直面する問題は、私たちが日常生活で感じる悩みやジレンマと重なる部分が多く、「もし自分だったらどうするか?」と考えさせられます。

一方で、成瀬の生き方は理想的すぎると感じる読者もいるかもしれません。現実では、彼のように信念を貫くことが必ずしも良い結果につながるわけではないからです。

しかし、それでも本作は「自分らしく生きること」の大切さを改めて考えさせてくれる作品でした。

著者「宮島未奈」さんについて

『成瀬は信じた道をいく』の著者、宮島未奈(みやじまみな)さんは、1983年静岡県生まれの小説家です。

2018年『二位の君』で「第196回コバルト短編小説新人賞」受賞
2024年『成瀬は天下を取りにいく』で「第39回坪田譲治文学賞」受賞、「2024年本屋大賞受賞

宮島未奈さんの作品は、軽快なテンポとユーモアに満ちた会話が魅力。青春の葛藤や社会のリアルも描かれ、前向きなメッセージが心に残る作品が多いです。

『成瀬は信じた道をいく』を読んだ最後に

『成瀬は信じた道をいく』は、まさに「自分の信じる道を進む勇気」を与えてくれる作品です。

日々の生活の中で、妥協や迷いが生じることは誰にでもありますが、成瀬の姿を通して、「自分はどう生きたいのか?」と改めて見つめ直す機会をもらえました。

「こうあるべき」「こうしなければならない」という固定観念にとらわれることなく、自分の心に正直に生きること。それがたとえ茨の道だったとしても、成瀬のように堂々と歩んでいける人間でありたい——そんな思いを抱かせてくれる一冊でした。

この物語を読んで、あなたはどんなことを感じるでしょうか?

成瀬は信じた道をいく

(★4.7)
(Kindle¥1,584 / 楽天¥1,705 / オーディブル聴き放題)