
ボッコちゃん
(★4.4)
(Kindle¥616 / 楽天¥737 / オーディブル聴き放題)
星新一さんの推理小説『ボッコちゃん』の書評です。
星新一さん自らが傑作50編を自選。SF作家・星新一の入門書。
目次|Contents
『ボッコちゃん』について
『ボッコちゃん』は、1958年に新潮文庫から発行された星新一さんのSFショートショート集。
星新一が自ら選んだ珠玉の50編が収録されています。
『ボッコちゃん』登場人物
ボッコちゃん:美人でツンデレなロボット
『ボッコちゃん』あらすじ

著者が傑作50編を自選。SF作家・星新一の入門書。
Amazonより引用
バーで人気の美人店員「ボッコちゃん」。彼女には、大きな秘密があった……。
スマートなユーモア、ユニークな着想、シャープな諷刺にあふれ、光り輝く小宇宙群!
星新一さんの『ボッコちゃん』は、短編集のタイトル作であり、シンプルながらも深いテーマを持つショートショート作品です。
物語の舞台はバー。そこには美しいが無口な女性「ボッコちゃん」がいます。
彼女は実は人間ではなく、マスターが作ったロボット。話しかけると簡単な受け答えをするだけですが、その美貌に惹かれた客たちは夢中になります。
しかし、ボッコちゃんの無機質な対応と、人間の欲望が交錯したとき、思わぬ結末が訪れます。
『ボッコちゃん』レビュー・感想

ボッコちゃん
バーのマスターが趣味で作った美人でツンデレなロボット「ボッコちゃん」の話
変な薬
薬好きの男が開発した変な薬とは!?
約束
宇宙人と子ども達が交わした約束
『ボッコちゃん』は、わずか数ページで読者に強い印象を残す、星新一さんらしいショートショートの名作です。
特に、彼の作品の特徴である軽快な文体と、皮肉の効いたストーリー展開が際立っています。
ボッコちゃんは、人間にとって都合のよい存在として作られたロボットですが、彼女に惹かれる人々の行動を見ると、ロボットよりもむしろ人間のほうが機械的であるかのように思えてきます。
結末はあっけなくも衝撃的で、短いながらも考えさせられる内容になっています。
この作品には、技術の発展が進んだ現代においても色あせないテーマが込められています。AIやロボット技術が発展する中で、果たして人間と人工知能の関係はどのように変化していくのか——そんなことを想像せずにはいられません。
著者「星新一」さんについて
『ボッコちゃん』の著者、星新一(ほししんいち)さんは東京生れ。東京大学農学部卒。
1957(昭和32)年、日本最初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参画し、ショートショートという分野を開拓した。
1001編を超す作品を生み出したSF作家の第一人者。
SF以外にも父・星一や祖父・小金井良精とその時代を描いた伝記文学などを執筆している。
著書に『ボッコちゃん』『悪魔のいる天国』『マイ国家』『ノックの音が』など多数。
『ボッコちゃん』を読んだ最後に
『ボッコちゃん』を読み終えたとき、短いながらも深いメッセージを含んだ作品であり、読後に「人間とは何か?」を改めて考えさせられます。
星新一さんの作品はどれもユーモアと皮肉が絶妙に組み合わさっていますが、本作は特にその要素が際立っていると感じました。
短編集『ボッコちゃん』には、このほかにも多くの魅力的なショートショートが収録されています。
短時間で読めるため、気軽に楽しみながらも、読後にはじわじわと余韻が残る一冊です。
ぜひ、手に取ってみてはいかがでしょうか?

ボッコちゃん
(★4.4)
(Kindle¥616 / 楽天¥737 / オーディブル聴き放題)