『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』　澤村御影さん著｜あらすじ・レビュー

澤村御影さんの推理小説シリーズ『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』の書評です。

主人公の「准教授・高槻彰良」が勤務する清和大学民俗学教室には今日も不可思議な事件や怪異が舞い込む。

『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』について

『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』は、2018年11月に角川文庫から発行された澤村御影さんの推理小説。

『准教授・高槻彰良の推察』シリーズの第1巻。小説と漫画の合計部数は90万部を突破。テレビドラマ化もされた。

『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』登場人物

高槻彰良：主人公　青和大学文学部史学科民俗学考古学専攻・准教授　美青年　怪異現象が起きるとハイテンションに　鳥が苦手

深町尚哉：青和大学の大学生で高槻のバイト助手　他人の嘘を見抜く能力を持つ　

佐々倉健司：高槻の幼馴染　警視庁刑事部捜査一課・刑事

『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』あらすじ

「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」

人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。
なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、
怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。

親しくなるにつれて尚哉は、高槻の瞳が時々夜空のような青色に変わることや超記憶能力を持っていることなどを知る。
実は高槻もまた、幼い頃に奇妙な体験をしていたのだ……。

Amazonより引用

イケメン准教授・高槻彰良が、怪異現象にまつわる事件を解決するさまを描く民俗学ミステリーシリーズ第1巻。

都市伝説や怪異に目がない民俗学者・高槻彰良准教授。

知的で落ち着いた雰囲気を持ちつつも、どこか掴みどころのない彼のもとにやってきたのは、人の嘘がわかるという特異体質を持つ大学生・深町尚哉。
幼い頃のトラウマが原因で、人付き合いが苦手な尚哉だったが、高槻の助手として働くうちに、彼の不思議な魅力と「世の中には説明できないこともある」という考え方に影響を受けていく。

そんな2人が、怪異にまつわる事件を調査しながら、それぞれの過去や心の傷と向き合っていく――ちょっと不思議で、でも温かい物語。

『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』レビュー・感想

第一章　いないはずの隣人

このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。

第二章　針を吐く娘

ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い？それとも…。

第三章　神隠しの家

肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。

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「准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき」を読んでみて、まず、この作品の一番の魅力はやっぱり高槻准教授！

学者らしい博識さを持ちながらも、どこか飄々としていて、好奇心旺盛な性格がとても魅力的。読んでいるうちに、尚哉と同じように「この人、ちょっと掴めないけど、めちゃくちゃ惹かれる…！」となるはず。

尚哉の視点で描かれているので、彼の葛藤や成長がリアルに伝わってくるのもポイント。人付き合いが苦手だった彼が、高槻との交流を通じて少しずつ変わっていく様子が丁寧に描かれていて、読んでいて応援したくなる。

ミステリー要素もバッチリ。日本の民俗学や都市伝説を絡めた事件がどれも興味深くて、「口裂け女」や「人魂」など、聞いたことのある話に新しい解釈が加わることで、現実味が増していて面白い。

ただの怪異探求にとどまらず、事件の背後にある人間の心理や社会的背景まで掘り下げているのがこの作品の良さ。不思議な出来事の裏には、いつも人の心が関わっているんだなと考えさせられる。

著者「澤村御影」さんについて

『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』の著者、澤村御影さんは神奈川県横浜市出身の推理作家です。

2016年に第2回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”を受賞した『憧れの作家は人間じゃありませんでした』でデビュー。

澤村御影さんの作品は、独特の設定と丁寧な心理描写、そして民俗学的要素を巧みに織り交ぜた物語構成により、多くの読者から支持を得ています。

ぜひ一度、読んでみてください。

『准教授・高槻彰良の推察１　民俗学かく語りき』を読んだ最後に

ミステリー好きはもちろん、都市伝説や民俗学に興味がある人にもめちゃくちゃおすすめ！

ホラーっぽい要素もあるけど、基本的には温かいストーリーなので、怖すぎるのが苦手な人でも楽しめるはず。

高槻と尚哉のコンビがこれからどんな事件に関わっていくのか、ますます気になるシリーズの始まり。続きが気になって仕方ない！